10月 2022

2022年度Aセメスター学術フロンティア講義「気候と社会」第4回

 学際フロンティア講義「気候と社会」第4回目の講義は、同位体気象学の第一人者である芳村圭教授(本学生産技術研究所グローバル水文予測センター、宇宙航空開発研究機構地球観測研究センター・センター長)をお招きし、「気候と社会をつなぐ物質:水」をテーマに、気候変動に関する陸域水循環モデルについてお話しいただきました。 講義の主な論点は以下の通りです。 水循環・陸域モデリング研究を通じた地球システムモデル開発によるIPCC AR6 WGⅡへの貢献 統合陸域シミュレータ(ILS)開発 陸面モデルMATSIRO、河川モデルCaMa-Flood 気候変化による世界的な自然災害への影響(豪雨、洪水、干ばつ、山火事等) 国内外の気象災害の事例 日本の洪水予報の法規制の動向 水文学的干ばつ 温度や雨量の指標に水同位体を用いて水循環を追跡する 温室効果ガスと同位体比 気温上昇と降水量の経年変化について

2022年度Aセメスター学術フロンティア講義「気候と社会」第3回

 学際フロンティア講義「気候と社会」第3回目の講義は、気候力学の第一人者である小坂優准教授(東京大学先端科学技術研究センターグローバル気候力学分野)をお招きし、「気候の人為起源変動と自然変動」をテーマに、気候システムのメカニズムについてお話しいただきました。 講義の主な論点は以下の通りです。 主に19世紀後半からの全球平均地表面気温の上昇とその要因 気候変動の要因 気候システムの外的強制力(エアロゾル、オゾン、温室効果ガス等)と内部変動(エルニーニョ・ラニーニャ現象、偏西風の蛇行現象等) 人間の気候変動への影響に関する「検出」と「要因特定」 世界平均表面気温の上昇とその要因 多様な指標からみた気候の変化と人為的影響 地域規模の気候変動とその要因 ―サヘル、南米南部の事例 今世紀初めの地球温暖化の「停滞」と内部変動の役割

東京大学「気候と社会連携研究機構」発足記念シンポジウムを開催しました

気候・生態系と社会の共進化を探る 開催にあたって 人間活動に起因する地球温暖化が社会自身へ与える負の影響を抑えるために、二酸化炭素の正味排出をゼロにするカーボンニュートラルが国際的な流れとなっています。気候変動あるいは地球温暖化の問題は、もはや自然科学の枠を超えています。気候変動の理解と予測および生態系への影響評価、将来の社会システムデザイン、気候正義に代表される社会の格差解消、カーボンニュートラルに向けた行動変容など、さまざまなアプローチを包含するトランスフォーマティブサイエンスが求められています。

2022-10-11|Tags: |

2022年度Aセメスター学術フロンティア講義「気候と社会」第2回

 学際フロンティア講義「気候と社会」第2回目の講義は、気候科学の第一人者である江守正多教授(本学未来ビジョン研究センター教授、総合文化研究科広域科学専攻客員教授、国立環境研究所上級主席研究員)をお招きし、「気候変動問題の論争をどう見るか」をテーマに「地球温暖化の論争」をめぐる諸説・議論についてお話しいただきました。 講義の主な論点は以下の通りです。 地球温暖化の原因が人間活動によるCO2であることの論拠 インターネットで広まっている温暖化の諸説の懐疑論とその実態 ―太陽活動の影響?気温とCO2の時系列データで見る因果関係?氷期からの回復?等 気候危機は存在しない? ―気温1℃上昇をどうみるか? 台風・大雨増加傾向? ホッキョクグマは増えてる? IPCC等のデータの確かさ 気候変動対策には意味がない? 一部の国だけ対策しても不十分か?日米中の対応は? 信頼できる情報を見極めるリテラシー チェリー・ピッキングの議論を見極めるには?

2022年度Aセメスター学術フロンティア講義「気候と社会」第1回

 10月4日に学術フロンティア講義「気候と社会」が開講されました。本講義では、気候変動がもたらす社会への負の影響について、自然科学・社会科学・人文学といった分野横断的な視点から、各分野の第一人者である講師陣をお迎えし、オムニバス形式のトランスフォーマティブなサイエンス授業を展開していきます。  第1回目の講義は、気候と社会連携研究機構の機構長である沖大幹教授(本学総長特別参与・大学院工学系研究科)から「気候変動と相互作用環の学術を俯瞰する」をテーマに「気候と社会」を学ぶ重要性についてお話しいただきました。 講義の主な論点は以下の通りです。 なぜ気候と社会を学ぶのか? どうして気候変動問題は解決しないのか? 気候変動をもたらすといわれる科学的要因 ―水蒸気、CO2(氷期の推定・気温上昇)等 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による政策動向 化⽯エネルギー利⽤へのパリ協定合意、2050年正味ゼロ排出 世界人口推移との関連 なぜ今、SDGs、ESG、グリーンファイナンスなのか? 統合評価によって気候変動の影響と社会変容との相互作用環を結び付ける重要性

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